昇進して責任が増えると、やりがいや充実感がある一方で「疲れた」と感じる人も少なくありません。部下の管理、上司からの期待、業務量の増加、家庭との両立など、プレッシャーが重なることで心身に負担がかかるのは自然なことです。
本記事では「出世して疲れた」と感じたときにどう働き方を見直すか、またメンタルケアをどのように取り入れていけばよいのかをわかりやすく解説します。
1. 出世して疲れるのは自然なこと
出世すると役職に応じた責任が増え、業務範囲も広がります。そのため、昇進の喜びと同時に「プレッシャー」や「孤独感」を感じるのは珍しくありません。
世界保健機関(WHO)では「バーンアウト(燃え尽き症候群)」を、職場で慢性的なストレスがうまく処理できないことによる職業現象としています。
これは病名ではなく「現象」と位置づけられており、早めに気づいて対処することが大切です。
2. 今日からできる短期的なリカバリー
「疲れた」と感じたら、まずは生活習慣や仕事の進め方を見直しましょう。
- 睡眠:眠る時間を削るのではなく、質を確保することを意識する。
- 食事:栄養の偏りを避け、規則的に摂る。
- 運動:軽い散歩やストレッチでリフレッシュ。
- 業務の優先度を整理:期限や重要度を基準に「やらない仕事」を決める。
また、会議の時間を短縮したり、上司に業務量を相談するだけでも負担は軽減されます。
「疲れた」と気づいた時点で小さく調整することが大切です。
3. 会社の制度や法律を味方にする
働き方を改善するには、個人の努力だけでなく制度や法律を知って活用することが欠かせません。
ストレスチェック制度
労働安全衛生法により、従業員50人以上の事業場では年1回のストレスチェックが義務づけられています。
これは結果をもとに自分の状態を把握し、必要に応じて産業医や専門機関に相談するきっかけになります。
長時間労働の上限規制
残業時間には法的な上限があります。
以下は厚生労働省が定める時間外労働の上限です。
区分 | 上限 |
---|---|
原則 | 月45時間、年360時間 |
特別条項付き協定 | 年720時間以内、単月100時間未満、複数月平均80時間以内 |
この基準を超える働き方が続いている場合は、早めに人事や労務担当に相談しましょう。
4. 中期的な働き方リデザイン
出世して疲れを感じたら、今後の働き方を少しずつ変えていくことが大切です。
- 役割の見直し:部下へ権限を委譲し、自分だけで抱え込まない。
- 時間設計:集中時間を確保し、残業前提の働き方を改める。
- 仕組み化:業務を標準化して、誰でも対応できるようにする。
「自分しかできない仕事」を減らすことが、メンタルの安定にもつながります。
5. キャリアの選択肢を広げる
「出世して疲れた」と感じても、必ずしも辞める必要はありません。選択肢は複数あります。
- 続ける場合:上司や人事と相談し、業務体制や評価の仕組みを見直す。
- 社内異動:適性に合った部署に移ることで負担を減らす。
- 専門職トラック:マネジメントではなく技術や専門分野で評価される道を選ぶ。
- 転職:会社の文化や制度が合わない場合は選択肢のひとつ。
どの道を選ぶにしても「健康を守ることが第一」です。
6. 休職や復職を検討する場合
もし疲れが長期間にわたり、通常の休養で回復しない場合は休職も選択肢になります。
厚生労働省の「職場復帰支援の手引き」では以下の流れが示されています。
- 休業中のケア
- 主治医の判断
- 職場との復職プラン作成
- 復職の最終判断
- 復職後のフォロー
復職は段階的に行うことが望ましく、短時間勤務や配置転換などの配慮が検討されます。
7. 相談できる公的窓口
困ったときに頼れる外部の窓口もあります。
- こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556(地域の保健所等につながる)
- 産業保健総合支援センター:地域ごとに設置され、産業医や保健師が支援
緊急時は119番や医療機関の受診を優先してください。
まとめ
出世して疲れたと感じるのは、決して弱さではなく自然なことです。
大切なのは「無理をしすぎず」「相談できる先を確保する」こと。
生活の整え方、会社の制度、法律、公的窓口を組み合わせながら、自分らしい働き方を再設計していきましょう。
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