ここに記す数量や品目は、公共機関の防災資料で示される一般的な考え方を整理したものです。最新のルールは自治体や社内規程で異なるため、最終決定前に自社の方針や地域の案内を確認してください。
まずは基準づくり:量の目安と社内ルール
備蓄量の基本:水・食料・寝具の目安
- 期間の目安:最低3日分、できれば1週間。広域災害では物流が止まる可能性があるため、延長を想定した準備が役立ちます。
- 水:1人1日3L×必要日数(飲料+簡単な調理等を含む想定)。
- 食料:1日3食×必要日数を目安に、アレルギーや宗教配慮を含めて計画します。食べ慣れた味や、開封後すぐ食べられるものが扱いやすいです。
- 寝具・保温:毛布・エアマット・アルミシートなど、体温保持ができるものを確保。
会社の方針とBCP(事業継続計画)に沿わせる
「職場 防災グッズ 女性」の整備は、会社のBCP(事業継続計画)に沿って進めると運用がスムーズです。最大同時出社人数で備蓄数量を割り出し、部署・フロアごとの役割を文書化。鍵の管理・配布手順・保管場所まで決めておくと、初動が速くなります。
帰宅困難対策の前提
大地震時は一斉帰宅の抑制が原則です。オフィスで一時滞在できる備蓄と体制づくりを行い、物資・トイレ・衛生・情報を切らさない仕組みを平時から整えましょう。
女性なら何を優先?個人ポーチと会社備蓄の切り分け
個人ポーチ(机・ロッカーに個人保管)
- 生理用品(昼用・夜用の組み合わせ)、サニタリーショーツ、清浄綿、中身が見えない袋
- 常備薬(医師・薬剤師の指示や添付文書を優先)/鎮痛薬/絆創膏/マスク
- 手鏡・ヘアゴム・ヘアピン、汗ふき・体ふきシート、口腔ケア
- 小型ライト、モバイルバッテリー(PSE表示を確認)、ホイッスル
- 歩きやすい靴(スニーカー)や薄手ブランケットは足元やロッカーに常備
上記は、自治体の資料や男女共同参画の観点でも配慮が推奨される項目に含まれることが多い内容です。個人差があるため、当事者が自分で中身を決めるのがいちばん確実です。
会社備蓄(共用保管)
- 水・主食(3日分を基準、可能なら1週間に拡張)
- 簡易トイレ・トイレットペーパー・消臭剤・アルコール等の衛生用品
- 毛布・エアマット・アルミシート、ヘルメット、懐中電灯、ラジオ
- 生理用品の共用ストック(サイズ・種類を混ぜる/個包装が配布しやすい)
数量は最大同時出社人数で算出し、フロア分散で保管します。簡易トイレは例として1人1日5回×3日=15回分を目安に検討されることがあります。
ヒント:「日常の延長で備える」視点が学べる冊子(例:暮らし目線の防災ハンドブック)は、社内研修の教材にも向いています。
置き場所ガイド:分散配置で“すぐ取れる”を確保
個人スペース(デスクまわり/足元/ロッカー)
- 個人ポーチは引き出し手前など、片手で取り出せる位置に。
- 靴・ライト・ホイッスルは足元やロッカーの定位置にまとめる。
共用スペース(防災庫・複数フロアに分散)
- 停電や通路閉塞を想定し、各フロアに小分けで置く分散備蓄が有効。
- 保管場所は見取り図・サインで明示し、誰でも取り出せるよう表示。
比較表:置き場所と目的の対応
置き場所 | 主な防災グッズ | 目的・注目点 |
---|---|---|
デスク内 | 個人ポーチ・ライト・ホイッスル | 初動での安否確認・避難誘導に役立つ |
足元/ロッカー | スニーカー・薄手ブランケット | 帰宅困難に備えて移動と体温保持 |
各フロア防災庫 | 水・食料・簡易トイレ・毛布 | 閉塞時もフロア内で配布可能に |
トイレ・衛生・プライバシーは最優先テーマ
簡易トイレの考え方と必要数
断水や配管被害で水洗トイレが使えない想定に備え、簡易トイレを十分に確保します。人数・日数に応じて、1人1日あたり複数回を目安に数量を見積もると計画が立てやすくなります。配布手順や廃棄物の一時保管も、社内ルールに明記しておきましょう。
避難スペース運用のポイント
- 誰もが使いやすい環境:必要な数と種類(洋式・簡易式など)を平時に計画。
- 女性のプライバシー:間仕切り・パーティション、女性用品のセット備蓄、配布時の配慮(女性担当者が対応する等)を検討。
- 衛生面:手指消毒、体ふきシート、におい対策などを個包装中心にして配布しやすく。
チェックリスト:印刷してそのまま使える
個人ポーチ(女性)
- 生理用品(昼用・夜用)/サニタリーショーツ/清浄綿/目隠し袋
- 常備薬・鎮痛薬(使用上の注意を確認)/絆創膏/マスク
- 手鏡/ヘアゴム・ヘアピン/汗ふき・体ふきシート/口腔ケア
- 小型ライト/ホイッスル/モバイルバッテリー(PSE表示)
- 小ボトルの水/高カロリー補助食(アレルギー配慮)
デスク周り・足元
- スニーカー(ひも靴)/薄手ブランケット
- 小型水ボトル/非常食(食べ慣れたもの)
会社備蓄(チーム/フロア)
- 水:1人1日3L×3日分(可能なら1週間)
- 食料:1人1日3食×3日分(アレルギー・宗教配慮の代替品も)
- 簡易トイレ:人数×日数×1日あたりの回数で見積り
- 衛生:トイレットペーパー/ウェットティッシュ/アルコール等
- 寝具:毛布・エアマット・アルミシート
- 情報・安全:ヘルメット/懐中電灯/ラジオ
印刷用チェックボックス版(クリックで展開)
- 生理用品(昼/夜)
- サニタリーショーツ/清浄綿/目隠し袋
- 常備薬/絆創膏/マスク
- 手鏡/ヘアゴム/ヘアピン
- 小型ライト/ホイッスル/モバイルバッテリー
- スニーカー/薄手ブランケット
- 小型水ボトル/非常食
運用:ローリングストック・点検・表示
ローリングストックでムダなく更新
日常で消費しながら補充するローリングストックは、賞味期限切れを防ぎつつ常に新しい備蓄を保つ方法です。社内で点検日(例:年2〜4回)を決め、入れ替えを記録しましょう。
誰でも取り出せる表示・掲示
防災庫の位置、フロアごとの保管量、鍵の所在、配布責任者を見取り図と掲示で明確に。新入社員研修や避難訓練で周知すると初動が早くなります。
想定シナリオ別の動き方(例)
- 地震直後:身を守る→安否確認→エレベータ使用停止→情報収集→待機体制へ
- 長期停電・断水:簡易トイレの設置・配布→衛生用品の配布→水と食料の管理
安全上の注意:医薬品の使用や電気製品の運用は、製品の取扱説明・表示に従ってください。本記事は一般的な備え方のガイドであり、医療・法律等の専門助言を代替するものではありません。
社内導入のステップ:今日からできる見直し
- 現状把握:人数・出社日・保管場所・鍵の所在・賞味期限を洗い出す
- 優先順位付け:水・トイレ・衛生・照明の順に最低限を整える
- 分散配置:各フロアに小分けで配置し、見取り図を掲示
- 女性の声を反映:当事者がチェックリストに追記できる仕組みを用意
- 運用化:点検日・入替ルール・担当表を明文化して共有
まとめ:職場 防災グッズ 女性の安心は「準備×置き場所×運用」
「3日分(できれば1週間)を目安に、水は1人1日3L」という基準を共有し、個人ポーチと会社備蓄の役割を明確にすることが出発点です。分散配置と掲示・見取り図で“すぐ取れる”を実現し、簡易トイレと衛生・プライバシーを丁寧に設計すれば、女性が安心して働ける体制に近づきます。計画は定期的に点検し、ローリングストックで無理なく更新していきましょう。
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