結論:「職場でふわふわしてる人」と見えるのは、抽象的な話し方・役割の曖昧さ・優先順位の共有不足・非言語のやわらかさなどが重なりやすいからです。否定はせず、事実ベースの伝え方(SBI/DESC)と役割の見える化(RACI)、そして時間の区切り方(ポモドーロ/タイムボックス)を取り入れると、関係づくりと仕事の進め方がラクになります。
この記事は、次の流れでやさしく解説します。
- なぜ「職場でふわふわしてる人」に見えるのか(よくある理由)
- 否定しない伝え方:SBI・DESCの使い方と例文
- 頼み方テンプレ(When/What/How/Done)とチェックリスト
- 役割の見える化(RACI)と時間の区切り方(ポモドーロ/タイムボックス)
- 立場別のコツ(上司・同僚・本人)/よくある質問
「職場でふわふわしてる人」と見えやすい理由(まずは事実から)
レッテル貼りは控えつつ、状況(いつ・どこで)と行動(何をした)に注目すると、原因が見えやすくなります。下の表は、よくある「見え方」と、その裏で起きている“仕組み”のズレを対比したものです。
| 見え方(サイン) | 起きていること | まずできる対策 |
|---|---|---|
| 話が抽象的/結論が後ろ | 結論→理由→詳細の順が共有されていない | 会話を結論ファーストにそろえる(ピラミッド型の話し方) |
| 期限や優先度が曖昧 | 依頼にWhen/What/How/Doneが書かれていない | 依頼テンプレで「いつ・何を・どう・完了定義」を明記 |
| 誰に相談すべきか不明 | 役割・責任の線引きが曖昧 | RACIで責任と相談先を見える化 |
| タスクが後回しになりがち | 時間のブロックがない/割り込みに弱い | ポモドーロやタイムボックスで時間を区切る |
| 雑談が多く見える | 関係づくりの小さな会話(スモールトーク) | 業務の合間に短く取り入れ、雰囲気づくりに活用 |
ポイントは、人柄を問題にせず、仕組みや合意の不足を埋めることです。たとえば「職場でふわふわしてる人」と受け止められる場面でも、ゴール・期限・相談先が見えるだけで印象は変わりやすくなります。
否定しない伝え方:SBI と DESC をやさしく
SBI(Situation-Behavior-Impact)は、いつ・どこで(S)/どんな行動(B)/どんな影響(I)の順で、事実ベースに伝える方法です。感情的な言い合いを避けやすくなります。
例:SBIの例文
「昨日の定例(S)で、締切の話が出なかった(B)ので、進捗が伝わりにくかったです(I)。次回は冒頭で締切を一言入れてもらえると助かります。」
DESC(Describe-Express-Specify-Consequences)は、描写→自分の気持ち→提案→起こりうる結果の順で伝える枠組みです。相手を責めずに、望む行動を提案できます。
例:DESCの例文
「本日の資料は章が3つあるようです(D)。私は結論から知りたいです(E)。最初に“結論”スライドを1枚入れてもらえますか(S)。そうすると会議が短くできます(C)。」
この2つは「人柄」を否定せず、「行動」と「結果」にフォーカスできるため、職場でふわふわしてる人へのフィードバックにも使いやすい方法です。
具体的な接し方・頼み方テンプレ(When/What/How/Done)
依頼は、次の4点セットを短くそろえると伝わりやすくなります。
- When:いつまでに(期限)
- What:何を(成果物の名前)
- How:どういう型で(フォーマット・参考)
- Done:どこにどう出すと完了か(提出先・ファイル名・連絡方法)
例:依頼テンプレ
「9/30までに(When)A提案書のドラフト(What)を前回Bの型で(How)作成し、“A-2025-draft_v1”をSlack #proposalに投稿(Done)お願いします。」
さらに、チェックリストを用意して、目的/優先度/責任者/更新ルールを1枚にまとめると、抜け漏れを減らせます(チェックリストは「形骸化」させない運用ルールを一緒に決めるのがコツ)。
会話は結論→理由→詳細の順にそろえると、相手が理解しやすく、依頼も通りやすくなります(いわゆるピラミッド型の話し方)。
ミス・抜け漏れを減らす進め方:RACI と 時間の区切り
RACIで「誰が何をするか」を見える化
RACIは、Responsible(実行)/Accountable(最終責任)/Consulted(相談)/Informed(共有)の略。プロジェクトや定例業務にRACI表を1枚作るだけで、相談先がわからない・判断が止まるといった詰まりが減ります。
時間を区切る:ポモドーロ/タイムボックス
- ポモドーロ・テクニック:25分集中+5分休憩を1単位にして前に進める方法。短時間でも着手のハードルを下げやすくなります。
- タイムボックス:カレンダーに作業用の時間枠をブロックする考え方。会議だけでなく「作業」も予定化して守りやすくします。
おすすめの使い分け
小タスクの前進にはポモドーロ、まとまった作業や割り込み防止にはタイムボックス。両方を日程表に混ぜて運用すると、「ふわっと後回し」が減ります。
立場別:やさしい関わり方
上司・先輩の立場
- RACI表をチームで共有し、相談窓口を明確にする。
- 依頼はWhen/What/How/Doneで短く。レビューはSBI/DESCで事実ベース。
- 毎日5〜10分の短い同期(今日やること/困りごと)で詰まりを早く見つける。
同僚の立場
- 「今10分話せますか?」と時間枠を先に作ってから相談する。
- 依頼はテンプレで。終わったら「完了条件」に沿って受け取り、感謝を言葉に。
- 合間のスモールトークは短く取り入れて関係づくりに活用。
本人の立場(「ふわふわ」と言われやすい人)
- 朝5分のタスク棚卸し(今日やる3つを書く)。
- 会議の発言は最初に結論→理由→詳細の順を練習。
- 作業はポモドーロで始めるか、タイムボックスでカレンダーにブロック。
よくある質問(FAQ)とまとめ
Q1. 「やさしい雰囲気=仕事ができない」なの?
必ずしもそうとは限りません。判断は成果の基準(期限・品質・範囲)で行いましょう。
「職場でふわふわしてる人」と感じても、ゴール・期限・相談先が明確だと、安心して任せやすくなります。
Q2. 期限を守ってもらう言い方は?
DESCで提案と選択肢を添えて伝え、タイムボックスで作業時間を確保してもらう方法が現実的です。必要なら、途中で5分の進捗共有枠を入れると安心です。
Q3. 相談先がわからず進みません。
RACIで「実行・最終責任・相談・共有」を1枚に整理しましょう。掲示場所(Wiki・掲示板・壁)を決め、更新ルールも合わせて書いておくと迷いが減ります。
今日からできる3つ
- SBIで事実ベースのフィードバックを試す(感情ではなく行動と影響に注目)。
- 依頼はWhen/What/How/Doneで1行に。
- RACI+ポモドーロ/タイムボックスで仕組み化して、「ふわっと後回し」を減らす。
本記事は、一般的に知られている業務フレームと基本的なコミュニケーション方法をまとめたものです。個別の職場状況には違いがあります。もし合わない点があれば、チームの合意とやりやすさを優先して調整してください。


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