「職場の人がえこひいきされていてストレスがたまる」「自分はちゃんとやっているのに、なぜあの人ばかり評価されるんだろう」そんなモヤモヤを抱えながら、毎日仕事をしている人は少なくありません。
えこひいきは、自分が直接いじめられていなくても、見ているだけでつらくなることがあります。人は、自分と他人の扱いをくらべて「公平かどうか」を自然に感じ取ると言われています。そのため、不公平だと感じる状況が続くと、やる気が下がったり、職場に行きたくなくなったりすることもあります。
このページでは、職場の人がえこひいきされていてストレスを感じるときに、自分はどう動けばいいのかを、できるだけわかりやすくまとめていきます。感情の整理の仕方から、明日からできる小さな行動、環境を変えることまで、順番に見ていきましょう。
職場の人がえこひいきされていてストレスなのは「おかしくない」感情
えこひいきとは?どんな状態を指すのか
「えこひいき」と聞くと、なんとなくモヤッとしたイメージはあっても、どこからがえこひいきなのかは分かりにくいですよね。一般的には、次のような状態が「えこひいき」と感じられやすいと言われています。
- 同じミスなのに、人によって注意され方が大きく違う
- 特定の人だけ、よくおしゃべりしていて、いつも味方されているように見える
- 大事な情報や仕事が、いつも同じ人にだけ回っている
- 成果はみんなで出したのに、評価やほめ言葉が一部の人に偏っている
もちろん、経験年数や担当業務の違いによって、任される仕事や指導の仕方が変わることもあります。すべてが「不公平」とは言い切れません。ただ、説明もないまま偏った扱いが続くと、周りからは「えこひいき」と感じられやすくなります。
「自分だけ損している気がする」のは自然な反応
人は、自分の努力と、もらえる評価・待遇を、まわりの人とくらべながら「公平かどうか」を判断する傾向があると言われています。
だからこそ、職場の人がえこひいきされていてストレスを感じるのは、とても自然な反応です。
- 自分も同じくらいがんばっているのに、あの人ばかり評価されている
- がんばってもムダな気がしてきて、力を抜きたくなる
- 自分の存在が軽く扱われているようで、悲しい・悔しい
こうした感情は、「心が弱いから」でも「性格が悪いから」でもありません。公平であってほしいという、ごく普通の気持ちから生まれるものです。まずは、自分の感情を否定せず、「そう感じて当然だよね」と認めてあげるところから始めてみましょう。
えこひいきされている人も、実は楽ではないことがある
えこひいきされている側は、一見「トクをしている」ように見えるかもしれません。しかし、周りからの視線や噂がつらくて、心が疲れてしまう人もいます。
- 「あの人は上司に気に入られている」と陰で言われてしまう
- 実力ではなく「ひいきのおかげ」と思われている気がして、プレッシャーになる
- 上司との距離が近すぎて、断りづらい用事や誘いが増える
つまり、えこひいきがある職場では、誰もが少しずつストレスを抱えやすくなるのです。「誰かだけが悪い」というよりも、職場の雰囲気や仕組みが整っていないことが原因になっている場合も多いと考えられます。
職場でえこひいきが起こる理由を知る|上司と職場環境の面から見る
上司の「好き嫌い」だけが原因とは限らない
えこひいきが起きると、「上司の好き嫌いのせいだ」と感じてしまいがちです。たしかに、上司も人間なので、話しやすい人や、自分と価値観が近い人に目が向きやすいと考えられています。
ただ、それだけではなく、次のような背景が重なっていることもあります。
- 評価の基準があいまいで、「なぜその人が評価されているのか」が周りから見えない
- 人手不足などで、つい「頼みやすい人」「早く動いてくれる人」に仕事を集中させてしまう
- 忙しさの中で、「全員に公平に声をかける」余裕がなくなっている
こうした状況が続くと、上司に悪気がなくても、結果としてえこひいきに見える行動が増えてしまうことがあります。
えこひいきが続くことで起きやすい職場のデメリット
えこひいきが続くと、職場全体には次のような影響が出ると指摘されています。
- 不公平感から、まじめに働いている人のやる気が下がる
- 「どうせがんばってもムダ」と感じて、生産性が落ちる
- 陰口や対立が増え、チームワークが乱れやすくなる
- ストレスが強くなり、離職や体調不良につながることもある
えこひいきは、すぐに数字で見える問題ではありませんが、長い目で見ると職場全体にマイナスになりやすい行動だと考えられています。だからこそ、「気のせいかな」と自分の感覚を無視し続けるよりも、どう向き合うかを考えていくことが大切です。
ハラスメントに近いケースもあることを知っておく
えこひいきの中には、特定の人にだけ不利益を与えたり、わざと仕事をはぶいたりするようなケースもあります。こうした場合は、いじめやパワーハラスメントに近い問題として扱われることもあります。
ただし、どこからがハラスメントに当たるかの判断は、とてもむずかしいです。法律的な線引きについては、職場の窓口や専門機関に相談しながら確認することがすすめられています。
ここでは「すべてを自分一人で抱え込まなくていい」ということだけ、まず覚えておいてください。
まずは自分の心を守る|感情を整理してラクになるためのヒント
えこひいきされている人や上司を「悪者」にしすぎない
強いストレスが続くと、「上司が全部悪い」「ひいきされている人もずるい」と、誰かを悪者にしてしまいたくなることがあります。
ただ、その考え方が強くなりすぎると、自分自身も苦しくなってしまうことがあります。
- 相手のちょっとした言動にもイライラしやすくなる
- 「あの人のせいで自分は不幸だ」と感じてしまう
- 職場全体が敵に見えて、行くのがつらくなる
えこひいきされている人も、上司との関係に悩んでいるかもしれません。もちろん、許せない行動は許さなくて大丈夫ですが、「人」そのものより、「職場の仕組み」や「コミュニケーションの偏り」に目を向けると、少し心がラクになることがあります。
モヤモヤを書き出して「事実」と「気持ち」を分けてみる
頭の中だけで考えていると、ストレスはどんどんふくらんでしまいます。そこでおすすめなのが、紙やスマホのメモに書き出してみることです。
次のように、「事実」と「気持ち」を分けて書いてみてください。
- 事実:Aさんだけ、毎回上司とランチに行っている
- 気持ち:自分は誘われなくて、さみしい・不安・不公平に感じる
書き出してみると、「自分はこう感じているんだな」と、冷静な目で見られるようになることがあります。感情を押さえ込むのではなく、一度しっかり言葉にしてあげることが、心を守る第一歩になります。
自分の価値を思い出す小さな習慣を持つ
えこひいきが気になると、「自分は認められていないのかも」と感じやすくなります。そんなときは、意識的に自分の価値を思い出す時間をつくってみてください。
- これまで達成した仕事や、関わったプロジェクトを書き出す
- 「ありがとう」と言われた出来事を思い出してメモする
- 自分が得意だと感じることを箇条書きにする
大きな成果でなくても大丈夫です。日々の小さな積み重ねに目を向けることで、「自分はちゃんと役に立っている」という実感を少しずつ取り戻せることがあります。
職場の人がえこひいきされていてストレスなときの具体的な行動・対処法
えこひいきの場面を「ずっと見続けない」工夫をする
えこひいきの場面を何度も目にすると、そのたびにイライラや悲しさがよみがえってしまいます。できる範囲で、「見なくてすむ工夫」をしてみるのも一つの方法です。
- 席替えの希望を出せるなら、距離が少し離れる位置を相談してみる
- 休憩時間や昼休みを、あえて少しずらしてみる
- イヤホンOKの職場なら、作業中は音楽や環境音を聞いて自分の世界に集中する
環境を少し変えるだけでも、目に入る情報が減ってストレスが軽くなることがあります。
自分の仕事の内容・成果を記録しておく
将来、上司や人事に相談するときや、異動・転職を考えるときのために、自分の仕事の内容や成果を記録しておくことは、とても役に立ちます。
- 担当している業務の内容
- 達成した数字や、改善した点
- 工夫したこと・提案したこと
これは、えこひいきを「告発するため」ではなく、自分のがんばりを見える形にしておくためのものです。もし上司に相談することになったときも、感情ではなく「事実」をもとに話しやすくなります。
信頼できる人・外部の窓口に相談する
「自分一人で何とかしないと」と思いすぎると、心がすり減ってしまいます。職場の外や、別部署の人に相談すると、ちがう視点からアドバイスをもらえることがあります。
- 同じ部署ではない先輩や同僚
- 社内の相談窓口や人事部門
- 産業医や社外のカウンセリング窓口
また、厚生労働省が案内している「総合労働相談コーナー」など、公的な相談先もあります。ここでは、解雇・労働条件・いじめや嫌がらせ・パワーハラスメントなど、働く上でのさまざまな相談を受け付けています。
「こんなこと相談していいのかな」と感じる内容でも、まずは問い合わせてみることで、どこに相談すればよいかの案内を受けられる場合があります。
上司に伝えるときは「不満」より「お願い」の形にする
えこひいきがつらく、「どうにかしてほしい」と感じることもあると思います。ただ、気持ちのままにぶつけてしまうと、ケンカのようになってしまう可能性もあります。
そこで、もし話せる関係であれば、「不満」ではなく「お願い」の形で伝えてみるのも一つの方法です。
- 例:「○○の仕事にもチャレンジしてみたいので、機会があればぜひ担当させてください」
- 例:「情報共有のタイミングを、部署全体でそろえてもらえると助かります」
相手を責める言い方ではなく、「こうしてもらえると仕事がしやすいです」という伝え方を意識すると、話を聞いてもらいやすくなる可能性があります。
「今は様子を見る」と「今のうちに動く」を整理して考える
すぐに行動するのが難しいときは、今は様子を見るのか、少しずつ準備を始めるのかを整理して考えてみましょう。簡単な比較イメージを表にすると、次のようになります。
| 選択肢 | メリット | 注意したい点 |
|---|---|---|
| しばらく様子を見る | ・今の環境を変えなくてよい ・人事異動などで自然に状況が変わる可能性もある |
・ストレスが強いままだと、心や体に負担になることがある |
| 少しずつ行動する | ・相談や準備を通じて、自分で選べる選択肢が増える ・将来の転職や異動にも役立つ |
・情報収集や準備にエネルギーが必要 ・すぐ結果が出るとは限らない |
どちらが正しい・間違っているというより、自分のペースで決めてよいことです。ただ、ストレスが強くてつらいと感じるときは、少しずつでも「動ける準備」をしておくと安心感につながる場合があります。
職場環境が変わりそうにないときに考えたいこと|異動・転職という選択肢
同じ会社の中でできること(異動・配置転換の相談)
「今の部署の人間関係がつらいけれど、会社自体は嫌いではない」という場合は、部署異動や配置転換を相談してみるのも一つの方法です。
- 別の上司のもとで働けるようになる
- 仕事内容が変わることで、新しいやりがいが見つかる
- えこひいきが目立たない環境に移れる可能性がある
そのときは、「えこひいきがつらいから」という理由だけでなく、「自分の強みを活かせそうな部署」「成長できそうな仕事」という視点も持っておくと、前向きな相談になりやすいです。
転職を考え始めるタイミングの目安
次のような状態が続いている場合は、環境を変えることも選択肢として考えてよいかもしれません。
- 睡眠がうまくとれない日が長く続いている
- 仕事のことを考えると、強い不安や動悸が出ることがある
- 信頼できる人に相談しても、「それはかなりつらい状況だね」と言われる
- 自分なりに対策しても、長期間状況が変わらないと感じる
転職は大きな決断なので、急いで決める必要はありません。ただ、「本当に今の職場にこだわる必要があるのか?」と自分に問いかけてみることは、これからの働き方を考えるうえで、プラスになることが多いです。
いきなり辞めないためにできる「小さな準備」
思いつめた状態で、感情のままに退職を決めてしまうと、あとで困ってしまうこともあります。そこで、次のような「小さな準備」から始めてみるのも一つの方法です。
- 自分のスキル・経験・得意なことを整理する
- 興味のある仕事や業界について情報を集める
- 求人サイトに登録し、市場の情報だけ先に見ておく
- 生活費や貯金を確認し、もしものときの計画を考える
準備をしておくことで、「今の職場がすべてではない」という安心感が生まれます。その安心感があると、「もう少しだけ様子を見てみよう」「この範囲まではがんばろう」と、自分で限度を決めやすくなることもあります。
やり返したくなったときに気をつけたいNG行動
SNSや職場での悪口は、自分を守ることにならない
ストレスがたまると、つい誰かの悪口を言いたくなったり、SNSに書き込みたくなったりすることがあります。一時的にはスッキリしたように感じても、後から自分に返ってくるリスクも大きいです。
- スクリーンショットが残り、予想外の人の目に入る可能性がある
- 「陰で悪口を言う人」というイメージがついてしまうことがある
- 人間関係のトラブルが、さらに複雑になってしまうことがある
気持ちを吐き出したいときは、信頼できる少人数や、専門の相談窓口を選ぶ方が、安全な場合が多いです。
えこひいきされている人を直接責めない
えこひいきされている人に対して、「あなただけずるい」と直接ぶつけてしまうと、関係がこじれるだけでなく、自分もつらくなってしまうことがあります。
えこひいきは、多くの場合「上司のふるまい」や「職場の仕組み」の問題です。えこひいきされている本人を攻撃しても、根本的な解決にはつながりにくいです。
必要であれば、人事や相談窓口など「しかるべきところ」に、冷静に相談した方がよい場合もあります。
「自分がダメだからだ」と決めつけない
長く不公平な状況が続くと、「えこひいきされない自分が悪いのでは」と感じてしまうことがあります。しかし、職場の評価や人間関係は、さまざまな要素が重なって決まるものです。
不公平感が強い職場では、誰がそこにいても、似たようなモヤモヤを抱える可能性があります。「自分だけが悪い」と決めつけず、環境のせいでつらくなっている部分もあることを、ぜひ覚えておいてください。
まとめ|職場の人がえこひいきされていてストレスなとき、自分の心と未来を守る選択を
職場の人がえこひいきされていてストレスを感じるのは、ごく自然な反応です。それは、あなたが真面目に仕事に向き合っていて、「公平であってほしい」という気持ちを持っているからこそ生まれる感情でもあります。
この記事では、次のようなポイントをお伝えしました。
- えこひいきは、本人だけでなく周りの人のやる気や健康にも影響しやすいこと
- 感情を否定せず、「事実」と「気持ち」を分けて整理してみること
- 自分の仕事の成果を記録し、いつでも動けるようにしておくこと
- 信頼できる人や専門の窓口に相談し、一人で抱え込まないこと
- 異動や転職といった、環境を変える選択肢も視野に入れてよいこと
- 悪口や直接攻撃ではなく、自分の心と未来を守る行動を選ぶこと
今すぐすべてを変える必要はありません。できそうなところから一つずつで大丈夫です。
「この職場でできること」と「この職場以外を選ぶこと」のどちらを選んでも、あなたの人生です。自分を大切にできる選択を、少しずつ一緒に探していきましょう。


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